セミナー&フォーラム 日中韓シンポジウム「ポスト・コロナにおける環境教育及び人々の意識向上のための 日中韓協力」の開催 2022.08.19
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    2022年 8月 19日、日中韓三国協力事務局(TCS)は、オンラインにて日中韓シンポジウム「環境教育及び人々の意識向上のための日中韓協力」を成功裏に開催しました。同シンポジウムは、日本環境省、中国生態環境部宣伝教育センター、韓国環境保全協会から後援を受け、日中韓の環境政策と協力に対する人々の意識向上に向け、環境分野に携わる教師や教育者間のコミュニケーションや相互学習を強化するためのプラットフォームを提供することを目的としています。

 

    欧事務局長は開会の挨拶で、環境協力は日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)を中核として、日中韓三国の重要な協力分野の一つであり、「環境教育・市民啓発及び市民関与」が TEMMの重要な柱でもあるため、TCSは今回のシンポジウムのほか、これまで 2回にわたって日中韓教員交流プログラムを実施し、この取組を支援してきたと説明しました。新型コロナパンデミックは、環境教育に新たな課題と機会をもたらし、パンデミックから徐々に正常な状態に戻る今こそ、過去の経験を踏まえ、未来に向けて環境教育を改善する時であると述べました。 

 

    セッション1は、コロナ禍の日中韓環境政策に焦点を当て、中国生態環境部宣伝教育課の張士霞(ジャン・シューシャー)氏による司会で行われました。中国生態環境部環境計画院環境管理政策研究所の郝春旭(ハオ・チュンシュー)副所長は、中国の医療廃棄物管理及びカーボンニュートラルに関する政策を紹介しました。日本環境省の水谷好洋氏は、気候変動、海洋プラスチックごみ管理、生物多様性に関する日本の政策を共有しました。韓国環境部から呉錫宙(オ・ソクジュ)氏及び魯ウル(ノ・ウル)氏は、カ ーボンニュートラルに関する韓国の政策と地方での実践に焦点を当て発表を行いました。気候変動及びカーボンニュートラルは三国共通の関心事項であることを認識し、発表者は TEMM の枠組みにおいて、様々なプラットフォーム及び多国間・多業種の関係者を通じて、より緊密な連携を図るべきであるという点で意見が一致しました。 

 

    セッション2の前に、卞元正(ビョン・ウォンジュン)ユネスコ本部持続可能な開発のための教育部門(ESD)プログラム専門官は、効果的な教育法に焦点を当て、2030 年までに ESD を主要カリキュラムとするためのグローバルな取組及び利用可能なリソースについて特別講演を行いました。その後のセッション2では、初等・中等教育における環境教育について幅広い研究を行っている発表者が、日中韓及び ASEAN における環境教育と ESDの発展や現状について紹介しました。環境教育を正規の教育カリキュラムに取り入れること、多様な関係者を巻き込んで正規のカリキュラムや課外授業で環境教育の実施、子どもたちに体験させる教育など、効果的な教育方法について意見が交わされました。また、ポスト・コロナ時代には、オンライン教育やコミュニケーションも重要なツールとなることが強調されました。 

 

    白範欽(ペク・ポムフム)TCS 事務次長は閉会の挨拶で、発表者に感謝の意を表し、気候危機が喫緊の課題となっている変化の激しい世界における教師の役割を高く評価しました。 

 

    午後の非公開セッションでは、三国の教師が水資源保護、生物多様性、資源・再生可能エネルギー、気候変動対策、カーボンニュートラル、食品廃棄物管理など、模範となる教育事例を共有しました。また、三国の教師が姉妹校の提携、同様の教科のカリキュラム実施後のフィードバックの共有、テーマ別の活動に関する情報交換、オンラインプ ラットフォームを活用した中長期的な教師のコミュニケーションと能力開発など、三国間で連携を深める提案がなされました。 

 

    同シンポジウムには、省庁、自治体、小中学校の教師、環境 NGO・公共団体、研究機関、国際機関などから 180 名を超える参加者があり、TCS は今後とも関係者と協力し、三国市民が環境保護に関する協力、意識向上、行動を促進するよう引き続き取り組んで いきます。 

 

 

▲ 開会の辞を述べる欧 TCS 事務局長 

 

 

 

▲ 閉会の辞を述べる白範欽(ペク・ポムフム)TCS 事務次長 

 

 

 

▲ 公開シンポジウムセッション1 

 

 

 

▲ 公開シンポジウムセッション2 

 

 

 

▲ 非公開セッション